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2021年2月8日
下図は世界のGDP(青)と世界株指数(オレンジ)の推移です。
株価は良いときも悪いときも行き過ぎる傾向にありますが、基本的には経済成長と同じ方向に動いています。
株式の価値はその企業が保有している資産(=利益の積上げ)なので、経済成長と株価の上昇がリンクするのはある意味当然ですね。
このように世界の株式会社はリターンを上げて投資家に報いてきたのですが、このリターンは私たち日本人の家計に届いているのでしょうか?
こちらは、日米英の金融資産について比較した金融庁の資料です。
真ん中の3つのグラフは、95年から15年までの20年間の各国の金融資産推移です。
アメリカが3倍強になっている同じ期間、日本では、1.5倍にもなっていません。
世界の株式会社が時としてつまづきながらも生み出してきたリターンは、アメリカ人の家計には届いていたのですが、残念ながら日本人の家計には届いていなかったのです。
今どきは、一般に販売されている投資信託を使えば、誰でも簡単に国際分散投資ができるので日米でここまで大きな差が出ることはないはずです。
最も大きな原因は、「マーケットや経済に詳しくなり、上手に売買をすることが資産運用で大切だ」と思う考え方にあると思います。
その結果、注目されているテーマの商品の買ったり売ったりを繰り返してきたことで、企業の成長によるリターンを得られなかったのだと思います。
では、世界の株式会社が生み出しているリターンを自分の家計・資産に取り込むにはどうすればよいでしょうか?
最も大切なのは、「自分が行っている投資は何を得ることを目的としているのかを明確にすること」です。
長期的に企業が生み出すリターンを得ることが目的であることからブレないようにし、値動きの解説やマーケット予想などに耳をかさないようにすることが大切です。
特定のテーマを対象にしたファンド、仕組債、複雑な仕組みの商品(通貨選択型やオプションを組み込んだ商品)など一見、特別な仕組みでよさそうに見えるものは避けたほうが良いでしょう。
また、マーケットの動きに合わせて商品を売買する必要はありません。
世の中の状況に変化があれば、それに合わせて各企業がビジネスを変えていくはずだからです。
良い株式ファンド(世界の株式会社を対象とするローコストのインデックスファンドまたは投資哲学がしっかりとしたファンド)を買って、値動きを受け入れて長期保有しましょう。
長い期間の中では必ず何回か暴騰や暴落があります。
暴騰時には欲、暴落時には恐怖によって気持ちが揺らぐことがあるかもしれませんが、「短期的な値動きではなく長期的な企業の成長を待つ」というスタンスでいることで、企業が生み出すリターンを自身の家計・資産に取り込むことができるようになります。