教育費支援制度

2021年1月28日
保険の豆知識

子どもの教育費はいくら準備すればいい?

高校を卒業するまでに必要となる学習費総額(学校教育および学校外活動のための支出経費)は、文部科学省の調査によると、幼稚園から高校まですべて公立の場合、約540万円、私立の場合、約1,830万円となっています。

日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査(令和元年度)」によると、大学4年間の入学・在学費用総額は約690万円となるため、子どもが大学卒業までにかかる教育費は1,230万円~2,520万円となります。

なお、上記の大学入学費用には受験料や受かったけど入学しなかった学校への納付金等も入っているため、これが全ての人に必要な費用というわけではありません。

しかし、一番少ない1,230万円のケースで考えても、大学卒業までの22年間で均等に割ると、年間約56万円が必要となり、支出における教育費の割合は大きなものとなります。

 

教育費が不足する場合に一時的に活用できるお金

「教育費は早くうちから準備を」と言われていますが、誰でも予定通り準備を行えるわけではありません。

最初は準備ができても、様々な事情で中断しないといけなくなったり、貯めていたお金を取り崩さないといけない事態が発生するかもしれません。

このような場合に活用できるのが、奨学金や教育ローンです。

奨学金は「学生本人がお金を借りて卒業後に返すもの」

教育ローンは「親が借りて返すもの」

これらは、その時は非常に助かるものですが、子どもが社会人になった後に返済負担が発生したり、親が老後資金を準備する期間に返済が重なるといった影響があります。

 

教育費支援制度による幼児教育・保育の無償化

3~5歳児クラスの幼稚園、保育所、認定こども園等に通う子ども達が対象となり、利用料が無償となります。

他にも幼稚園の預かり保育や、認可外保育施設等を利用する場合でも、上限金額までは無償で超える部分のみ自己負担となります。

なお、0~2歳児クラスで無償化を利用できるのは、住民税非課税世帯ですが、3~5歳児クラスでは保護者の収入条件はありません。

 

高等学校等就学支援制度

国公立の場合は全額が無償となり、私立の場合は支給上限額396,000円までが無償となります。

ただし、世帯年収の条件があるため、収入によって支援額は異なります。

世帯年収が約270万円未満の世帯に対しては、授業料とは別に教科書代等に充てられる年間約3万~14万円の教育費支援制度(高校生等奨学給付金)もあります。

 

高等教育の修学支援新制度

大学や専門学校等での学びを支援する制度で「給付型奨学金」と「授業料等減免」で構成されています。

世帯年収によって支援額は異なりますが、返済不要の給付型奨学金と合わせると、家計から支出する学校への納付金はほぼなくなります。

ただし、注意点は以下の通りです。

  • すべてが無償になるわけではない
  • 所得等により対象となる人が限定される
  • 学外教育費(塾や習い事)は無償化されない

 

準備するお金の変化

教育費支援制度拡充に伴い、従来よりも準備すべきお金は少なくなってきています。

さらに中学校卒業までは「児童手当」が支給される世帯も多くあります。

児童手当は、3歳未満は月額15,000円、それ以降は中学卒業まで原則月額10,000円の支給があり、合計すると198万円となります。

 

長期的視野によるライフプラン設計

子どもがいる世帯にとって大きな支出だった教育資金の負担が減ることで、それ以外のイベントに回せるお金が増えてきます。

将来起こりうるリスクに備えるために、長期的にお金を貯めていくライフプランを考えてみてはいかがでしょうか?